真夏の庭園で毎年心待ちにしているのがボタンヅルの開花。7月最終週からぽつぽつと花が咲きはじめ、ちょうど見頃を迎えました。芝面に点在しているジュリ アーノ・ヴァンジの彫刻を見下ろすような形で、小さな白い花がツゲの生垣を覆うように咲く様子は見ごたえがあります。
ボタンヅルは日本にも自生するクレマ チスの原種の一つ。ボタンヅルの開花がほぼ終盤となるころに、バトンタッチをするように花期を迎えるのがセンニンソウ。ボタンヅルに似た白い小花を咲かせ るこのクレマチスもおなじく原種の一つです。庭園内でのセンニンソウの見頃は8月末から9月初旬を予想しています。 6月15日に剪定をした四季咲きクレマチスが二番花を咲かせています。
7月からの日照不足と梅雨明けの大幅な遅れで、昨年よりも開花までに時間がかかってしまいました。花のサイズも多少小さくなってしまったものの、ヴィチセ ラ系や遅咲き大輪系、インテグリフォリア系、ヴィオルナ系、そしてテキセンシス系のクレマチスの花々の開花は、緑色のグラデーションで占められていた園内 に色を補います。
そんな中、一番花と同じボリュームで開花する遅咲き大輪系のホワイト・プリンス・チャールズ。涼しげな透明感のある白花を枝全体に咲かせ ています。一番花に劣らず、むしろ一番花よりも勢いのある美花を楽しませてくれています。
7月上旬に剪定作業をしたポール仕立てのクレマチスのコーナーでは、二番花の開花は8月中・下旬を予想しています。
(写真:今井秀治氏/文章:専属ガーデナー 阿部さくら)